涼
台風が過ぎ去って、ようやく空気も澄んで幾分かは過ごしやすくなりました。
日中はまだまだ暑いけど。
さて、『ソレヨリノ前奏詩』を終えてふと気がつけば、最近は号泣シナリオに出会ってないなぁと思い、記憶を辿り神作品を再プレイしてみました。
『いつか、届く、あの空に。』
Lump of sugarさんの出世作ですね。まぁ、角砂糖さんはこの作品の後、結構躓きっぱなしなんですけど・・・・・・・・・
それはともかく、この作品は間違いなく神作品です。
とある田舎町で起こる不思議な出来事の話です。
主人公、巽策(たつみさく)はある特殊な一族の血を受け継ぐ末息子。
その一族は、何かの分野において達人を超えるほどの才能を発揮するという特殊な力を代々受け継いできた血筋。
例えば書道、絵画、音楽、芸能、政治、金融などなど。
しかし、策が受け継いだ能力は『武器』。現代社会においてこれほど使い道がない力は他にない。
そのせいで、幼いころから一族から落ちこぼれと蔑まれてきた。
そして成人間近の歳になった時、実家にいる当主から突然の帰還命令。
そもそもこの一族は、ある実力者一族の分家であり、宗家からの命は絶対で逆らえない立場だった。
実は、策が実家に戻らなければならなかったのは、宗家である唯井家からの指示だった。
唯井家では、年頃になった世継ぎに婿(または嫁)を娶らせるために、分家から一人を選ぶという風習があり、策はその世継ぎの婿に選ばれたということ。
そんな事情すら何も知らされずに実家に戻ってみると、家の中は無人で途方に暮れていると、一人の訪問者が現れた。
唯井ふたみ
彼女は、策に会うと開口一番『私はオマエのヨメになる者だ』と。
こんな感じで始まる物語です。
押しかけ女房的なイチャラブ話かなぁ?と安易に進めていると、物語の展開に次第に???となってきます☆
そんなこんなで、後半は怒涛の超展開が楽しめます。
この物語の核心はかなり深い上に複雑で、前半部分からしっかりと読み進めて理解しておかないと結構な確立で置いてけ堀を喰らいます。
後半、2ndオープニングを迎えた頃からが本番。
ちなみに、メインヒロインは3人いますが、TRUEルートのふたみ、ライバルヒロインの此芽、アナザーヒロインの傘とそれぞれ全く違う展開になります。
それぞれ物語の裏側、側面などを描いていて、フルコンプすることでようやく物語の全てを理解できる仕組みに構成されています。
この辺のシナリオ構成はさすが大御所さんといったところでしょうか。
個人的には此芽が一番好きですが、やっぱり真ヒロインのふたみの破壊力はハンパじゃないです。
特に、ラストシーンで号泣必死ですわ。
ふたみを助ける為だけに、自身を”武器と思い込む”ことでラスボスを倒すことに成功するも、自我を失い完全に”武器”になりきってしまった策。
人としてはもうすでに死んでいたはずの策に、命と自我を与えたのはふたみの力か、唯井家の生贄になってきた世継ぎの魂達が起こした奇跡か、はっきりとは言及されなかったけど、超ハッピーエンドで号泣でした。
こういう深い話は大好きだけど、重いし長いし、コンプするのに根気もいるので疲れるのが玉にキズなんですよね☆
まだいくつか神作品が手付かずだから、そろそろ手を付けようかな・・・・・・・・・
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